G'day mate! どうもAkiです!
以前私が患っている「特発性後天性全身性無汗症」という難病について触れましたが、今回は僕が診断されるまでの経緯と実際に行った検査内容と治療方法について順を追って紹介します。
世界でもまれな病気のため、具体的な情報が集まりにくい現状を踏まえ、この記事が少しでも同病者の手助けになれば幸いです。
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診断までの流れ
僕は病気の症状が現れ正しい診断をされるまで様々な苦労をしました。そんな僕の診断までの流れを順を追って紹介したいと思います。
「線維筋痛症」と誤診される
ある日体の不調に気づいた僕は、インターネットや本などで病名を見つける日々を送り、そこで自分の抱える症状に似ていた病気を見つけました。それが「線維筋痛症」でした。
その後、東京にある線維筋痛症の専門医を訪れ、様々な検査を行ったのちに、線維筋痛症の診断を受け、しばらく当病院で治療を行なっていました。治療自体すごく苦痛で、薬と毎週打っていた注射の副作用に苦しみましたが、一番辛かったのは、その後その治療全てが全く無駄なものだとわかった時でした。
大学病院の総合診療科を受診
当時東京で1人暮らしをしていた僕でしたが、地元に帰省して治療をすることを勧められ、地方の大学病院を受診することになりました。
そこで、まず総合診療科に行き、今までの経緯や症状を1時間くらい詳しく話しましたが、どうやらこれまでに言われていた病名とは違うことがわかり、後日皮膚科を受診することになりました。
検査内容
次にどのような検査を行ったか詳しく説明したいと思います。検査は通院でのものと入院しての2つがありました。
血液検査などの複数の検査
皮膚科では、いくつかの簡単な検査をしました。血液検査、尿検査、背骨のレントゲン、心電図、薬物性発汗検査など。その結果、無汗症の可能性が高いとわかり、後日入院して詳しい検査をすることになりました。
検査入院
無汗症かどうか確かめるためには、2泊3日の検査入院が必要ということで、そこで詳しく検査を行いました。
1日目の検査内容は
- ミノール法
- 皮膚生検
- 血液検査
- 尿検査
ミノール法(ヨード・デンプン法)は、主に発汗部位を特定することを目的に用いられる『定性的』方法です。
(出典元:発汗計測技術)
検査方法は、体中にヨード液、デンプンを塗り高温化で黒く変色するかを見る検査です。発汗部が黒く変色するのことで、発汗範囲を把握するというものです。
これは皆さんが小学校の理科で習った、ヨードデンプン反応を用いています。
下着1枚で女医さんにヨード液塗られるので、それが死ぬほど恥ずかしかったです...
次に、皮膚生検という検査を行いました。
皮膚生検とは、診断をより正確なものにするため、病変のある組織の一部を採取し、それをもとに病理標本を作製し顕微鏡で観察すること、さらに、場合によっては組織による免疫検査や培養検査をするための手法です。(出典元:皮膚生検|KOMPAS)
ミノール法で確認した発汗部分と発汗していない部分の2か所の皮膚を採取して、汗腺の割合を顕微鏡で確認し、発汗していない部分の割合から、無汗症の重症度を判定します。
(出典元:難病情報センター | 特発性後天性全身性無汗症(指定難病163)
僕は全身の70%から汗が出なかったので、ほとんどスコア3に近い状態でした。
2日目の検査内容は
- 起立性低血圧
- 尿検査
治療方法
最後に治療法について紹介します。僕が行った治療は、主に服薬治療と点滴治療の2つですが、自分自身でも発汗トレーニングを行なっていました。
服薬治療
検査入院から約2週間後、特発性後天性全身性無汗症と診断されました。まず服薬治療を行い、効果が現れなかったら入院治療をすることになっていました。
使用した薬は以下の3種類です。
- ヒスタミン
- ガバペン
- ステロイド
ステロイドパルス入院
その後、十分な効果が得られなかったため、3泊4日入院での治療を行うことになりました。
ステロイドパルス療法とは、メチル・プレドニゾロン500~1000mgの点滴注射を3日間行います。(出典元:ステロイド治療)
点滴は、1日に大体30分~1時間です。副作用は人それぞれあると思いますが、実際に僕に起きたのは、
- 口の中が苦くなる
- 興奮作用で夜中に目が覚めて寝れなくなる
しかし、残念なことにステロイドパルスをして数日は痛みがありませんでしたが、1週間でその効果は切れました。1クールで完全に治る人は少ないみたいで、私もその1人でした。
発汗トレーニング
僕はステロイドパルスの効果が切れてから、服薬に加えて発汗トレーニングを始めました。発汗トレーニングといっても、運動をするのはまだ怖かったので、毎日41℃のお風呂に20~30分入っていました。
最初の方は激痛から涙が止まらず、また汗は出ませんでした。しかし、1か月程後に顔からの汗を少しずつ確認することができました。
地獄のような痛みに耐えて荒療治をした甲斐がありましたが、今思えば少し危険なことをしていたような気がするので、しっかりと主治医の指示に従い、無理のない程度で行う必要があったかなと今振り返ると思います。
この1か月間に飲んでいた薬は
- リリカ
- ステロイド
服薬を継続し、減薬
毎日の発汗トレーニングの甲斐あってか、発汗量を検査すると正常値に戻っていました。まだ痛みはあるものの、痛みが出る範囲が少し減っていたので2回目のステロイドパルスをすることはありませんでした。
この間に飲んでいた薬は
- リリカ
- ステロイド
- ベラプロスト
そして、通院は月に1回でしたが、通院のたびに減薬していきました。発汗検査から1か月後は、「リリカ、ステロイド」の2種類のみになり、その1か月後は、「リリカ、ステロイド」の量がそれぞれ減りました。
この途中に合宿免許に参加していたため、2週間発汗トレーニングができませんでしたが、症状の変化は特にありませんでした。
そして、当初は数値が芳しくなかった「CEA」の値ですが、約6か月後は正常値の範囲内になり、さらに減薬にもなって薬は「ステロイド」の1種類のみとなりました。
最後に
以上、僕がこれまでにやってきた検査と治療を紹介しました。もちろん人によって症状も薬の効果も違うため、私の事例はあくまでも参考程度に考えていただきたいですが、もし少しでも同病者の手助けになることを願っています。
それでは、have a good day!